フレイルって何?
かきざわ整体院  January/2021

フレイルとは,年をとって体や心のはたらき,社会的なつながりが弱くなった状態を指します。そのまま放置すると,要介護状態になる可能性があります。大事なことは,早めに気づいて,適切な取組を行うこと。そうすれば,フレイルの進行を防ぎ,健康に戻ることができます*[1]
―加齢に伴い気力や体力が減少した虚弱な状態を示す―
賢明な方は「サルコペニア」との違いを考えると思います。サルコペニアとは,加齢や疾患により筋肉量が減少し,歩行速度の低下や日常生活で補助が必要な状態を示します。カテゴリーとしてはフレイルに包摂されます。
サルコペニアによる影響:着替え・入浴など日常生活動作が困難,転倒・骨折の危険度が増加,糖尿病になりやすい,肺炎など感染症を起こしやすい,死亡率が上がるなどです。
図はフレイルの要素を示しています。「筋肉の減退」を看過するとこれらのリスクの発生リスクが高まります。


出典:NHK健康ch *[2]より

 現在,若年層にもサルコペニアの原因因子になりかねない状況が拡大しています。感染症対策としてテレワークが多く通勤や運動の機会が少なくっているからです。極端なダイエットなどによりBMIが基準値以下(18.5以下)になってしまっている方も要注意です。対してメタボで脚が細いタイプの方も同様です。食事制限はするが運動量が少ない等,これらの状況は,筋肉減少と肥満の両方を併せ持つ「サルコペニア肥満」と呼ばれます。体が重く筋力が弱いため転倒しやすくなります。若い女性に多い状況は,ダイエット目的で食事制限を行い運動をしない。脂肪だけでなく筋肉も少なくなり,痩身だが体脂肪が多い,隠れ肥満タイプです*[3]

〇フレイルの傾向チェック:食事が美味しくない・疲れやすく何をするのも面倒・体重が減少してきたなどです。チェック表が厚生労働省より提供されています以下を参照下さい。
https://www.mhlw.go.jp/content/000620854.pdf
☆〈簡易テスト〉立ち上がりテスト
腕を胸の前で組み,できるだけ速く椅子から5回連続で立ち上がりを繰り返す。
できるだけ立ち上がった際に膝を完全に伸ばすように心掛ける。
5回終了までの時間を測定し12秒以内であれば合格です。12秒を超えるようであれば筋量の減退などの可能性があります。

高齢者にみられる筋力低下には大きく2つのタイプがあります。
①サルコペニア・・加齢性筋萎縮・筋力低下 筋繊維・横断面積の減少
②廃用・・不動,廃用性筋萎縮・筋力低下    横断面積のみ減少
立ち上がり動作や歩行,階段昇降などの日常生活における活動動作の制限を示す。
医療現場ではこの2つの筋力低下が併存しているケースが多い*[4]

廃用症候群(生活不活発病):安静状態が長期に渡って続く事により発生する心身の機能低下等を指す。病床で寝たきり状態や過度な安静状態が長く続くことで発生する症状。
厚生労働省は2040年までに健康寿命を3年以上延伸するという目標を示しています。

都道府県別健康寿命(日常生活に制限のない期間の平均:2016年)から,神奈川県は,男性72.30歳,女性74.63歳でした。寿命が延びても要介護の状況では内容が伴っていません。大切な事は「長さ」と「中身」です。寝たきりにならず介護されることなく生きて行く事=健康長寿を自らの努力で長くキープする事です。
それでは,これらを実現するためには何をすれば・・・?
フレイル(虚弱)の定義の中に加齢による筋肉の減退を起因する体力の低下があります。
20代の筋肉量を100%とすると,70代の大腿筋の筋量は60%まで低下します。フレイルは低栄養や運動不足によって悪化します。ゆえに,栄養面では,「たんぱく質の摂取不足」が問題に,運動不足面では全身の筋肉の減退が問題になります。日常生活でこれらのことを念頭に置いて自分にあった生活の改善を進めることが防止対策になります。

当院では,「整える」,「養う」をモットーにパーソナルトレーニングを実施しております。
個々人にあった内容で詳細に分かりやすくご指導致します。予約制です。(注:当院お客様に限ります)

*[1]厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/content/000620854.pdf
*[2]高齢者・フレイルの方へ 新型コロナウイルスの重症化リスクと注意点
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1198.html
*[3]徹底解説】急激に筋肉が落ちる病気「サルコペニア」とは? 若い人でも要注意
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_188.html
*[4]アルメディアWEB
高齢者の筋力低下とは
https://www.almediaweb.jp/motorsystem/exercise-therapy/part1/01.html