かきざわ整体院 May/Jun 2021

津川教授(カリフォルニア大学ロサンゼルス校助教授)によると、様々な研究論文による科学的根拠から「糖質制限ダイエット」による健康被害に警鐘を鳴らしている。糖質制限ダイエットは、痩身効果が期待できると同時に死亡率が高まると報告している。津川教授は『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』の執筆者でもある。教授は、糖質制限により比較的短期間に痩身の実感は出来るが半年以上継続することが困難であるとしている。
白い炭水化物と茶色い炭水化物
ごはん、パン、麺類などの炭水化物は食事において重要な要素をしめる。炭水化物は身体に悪い、肥満の原因と考えることが多いが間違った解釈だ。最新科学では、炭水化物を味方につけることで健康に痩せることが可能と考えられている。
白い炭水化物(通常のご飯)は、糖尿病のリスクが高く、死亡率も高い。一方で、茶色い炭水化物(玄米など)は糖尿病リスクが低く、大腸がんリスクや死亡率も低いと報告されている。外皮に含まれる不溶性の食物繊維やその他の栄養素が健康に良いとされるからである。
図1から、炭水化物の摂取量と死亡率の関係はU字の関係を示していることがわかる。

この図から、炭水化物の摂取量は多すぎても少なすぎても不健康になる。
〇動物性蛋白質・脂質の摂取量が多く糖質制限ダイエットを行うと死亡率、糖尿病の発症リスクが高くなる。

〇植物性の蛋白質・脂質の摂取量が多い人では、死亡率、糖尿病の発症リスクは低いという結果であった。

根本的に不溶性の食物繊維が豊富に含まれる「茶色い炭水化物」の摂取量を増やすことは大腸がんのリスクを下げる原因になり得るのだ。白い炭水化物を茶色い炭水化物に置き換えることでダイエット効果が高まることも分かっている。糖質制限ダイエットは、考え方にもよるが健康を犠牲にして痩せる「諸刃の剣」である。茶色い炭水化物を積極的に食べ食生活に切り替えることで、健康に痩せることが可能となる。

糖質制限ダイエットの減量効果は一時的?
糖質制限は短期間で減量効果や痩身を実感でき効率的で良いと信じている人が多い。
しかし、糖質制限ダイエットによるダイエット効果は長期的には続かない。糖質ダイエットの期間のよる研究結果(1年以上の実験)では、「短期」「長期」各々のグループ間での相違は認められなかった。また、両群とも約40%がドロップアウトしている。ゆえに、糖質制限ダイエットは長期的に続けることが難しい食事法であり、低脂質ダイエットと比べて副作用も多い食事法である。不溶性の食物繊維の摂取量が減るので、70%が便秘になり60%の割合で頭痛を経験すると報告されている。総合的判断では、糖質制限ダイエットは医学的にはあまりお勧めできない食事法であると言っても過言でない。
日本で行われたクロスオーバーデザインのRCT(介入群と対照群を途中で入れ替えて、それに合わせてアウトカムも逆転するか検証する方法。)では玄米に変えると血糖値とインスリン分泌量が減るだけでなく、血管内皮の状態も改善すると報告され、玄米食を白米食に戻すと戻ってしまうので因果関係としても信頼性は高いと考えられる。
多くを変化させると精神的負担も大きくなるので、先ずは1日1食を玄米にしてはどうか。この方法であれば長期間のトライが可能で短期に痩身効果や便通が良くなることが実感できる可能性が高い。リスク低く実践しやすいのでお勧めです。
ここで、ネガティブ思考の方の言い訳は「臭いがね」「硬いしね」・・・臭い(慣れもあるがほとんどしない)、硬い(白米と違い玄米は浸水する時間で硬さは解消できる)、将来家族に迷惑を掛けないための生活改善の第一歩として行ってはいかがでしょうか。 運動も大切ですが行ったことが身になるには栄養バランスは必須です。(柿澤) 長期的には、糖尿病、脳梗塞、大腸がんなどのリスクが下がる(これは目に見える変化ではないがリスクは確実に下がる)。玄米が苦手な方には、発酵させ食べやすくした玄米もお勧めだ。また、圧力釜で炊くのも良い。玄米には毒(フィチン酸やアブシシン酸)があるので発芽させないと身体に悪いというのは都市伝説。以前、動物実験でアブシシン酸が健康に悪影響である可能性の報告がありそれが一人歩きして広まったようだ。果物から抽出されたアブシシン酸の経口投与により「高血糖」「高インスリン血症」の改善した研究結果もあり、むしろ健康に良いものであると報告されている。また、玄米のヒ素含有量は白米よりも多いが沸騰した湯に5分間入れ、水を入れ替え炊飯することで効果的に除去できる。
私自身何年間も玄米食ですがネガティブな効果は何も無く過ごしております。以前、男性の体臭(加齢臭)の改善方法の一つとして玄米食を勧める記事を目にしたこともあります。多くの意味で効果が期待できるので是非お試し下さい。

引用、参考文献:週刊東洋経済プラス
上記記事を要約した